会社概要問い合わせ特定商取引法上の表記個人情報の取り扱いについて  

 

アーユルヴェーダ叢書

『ストレスとヨーガ・セラピー』−神経分泌液のコントロール−

  
4・高血圧に対するヨーガ的対処法
  いろいろなヨーガの技法の中でもシャヴァ・アーサナ(Shavasana・弛緩の体位)は高血圧を治すだけではなく、予防にも有効だとみなされている(図49)。ボンベイのDateyやロンドンのChandraPatelはかなり熱心にこの技法を患者に用いた。同様に、Bensonらは多くの高血圧患者に超越瞑想を使ってよい成果を出している。どの場合も、シャヴア・アーサナや瞑想でよい結果が出たのは、脳幹と末棺の臓器や組織におけるアドレナリンとノルアドレナリンの作用を減弱したからであると考えられる(図50)。

1)生理学的研究
  この問題をさらに詳しく研究するために、私たちはまず20〜25歳までの若くて健康な女性の被験者6人を選び、よく知られているシャヴァ・アーサナを行ってもらった。3ヵ月間毎日30分ずつ、枕を使わないで床に上向きで寝た姿勢をとり、次第にそして十分に身体中の筋肉を弛緩させていった。それから身体が弛緩している間、可能な限り完全に心理的にもリラックスするように伝えた。この技法の結果は、心拍、血圧、体重、血清コルチゾール、カテコラミンとヒスタミンの総計を記録し、測定してまとめた。調査の結果、3ヵ月間のシャヴァ・アーサナ実修復のどのパラメーターにも血中のカテコラミン総合有量以外は有意な変化はなく、カテコラミンのそれは、どの被験者もシャヴァ・アーサナで有意に下がっていた。この期間中、比較のため体育館で肉体運動をした被験者は、皆カテコラミンの含有量が有意に上昇し、結果は対象的であった。シャヴァ・アーサナやその他のリラッタス法で筋肉を弛緩させると、カテコラミン代謝回転がかなり減弱して、血圧を次第に下げることを明確にした。こうして私たちは生理学的研究に勇気づけられて、この技法を高血圧の臨床例に適応したいと考えた(図51、52)。

2)臨床的研究
  この研究(未発表)は、Agrawal博士、Vaish教授と私が、私たちの大学病院で企画した。対象は50人で、高血圧患者25人は高血圧外来から無作為に選び、その内5人はこの調査に参加する以前に薬剤を投与されており、正常対照として25人の正常血圧の人が含まれていた。最初は50人すべての被験者に、血圧の安定をはかるための何の治療もせず、6〜8週間観察した。その後で被験者全員がシャヴァ・アーサナを毎日30分ずつ3ヵ月間行った。この期間中、この姿勢での血圧を週に1回の間隔で、シャヴァ・アーサナの前、中、後に、血清コルチゾール、血清カテコラミン、そして尿中VMAも測定した。比較のために被験者を次の三つのグループに分けた。
  (A)本態性高血圧で無投薬20人、(B)本態性高血圧で薬剤治療5人、(C)正常血圧25人。すべての被験者にシャヴァ・アーサナを30分間、朝夕毎日とらせることを、治瞭の主眼に置いた。この調査の結果、シャヴア・アーサナによって収縮期も拡張期も顕著に血圧が下がるということが分かった。グループ(A)の患者は収縮期の血圧が平均153.3mmHgから139.3mmHgに下がり、3ヵ月間に15mmHg低下した。同様に拡張期の血圧が3ヵ月後には102.7mmHgから90.4mmHgと12.3mmHg下がった。さらにその後の調査で、約65%に著しい成果が見られ、残り35%はどちらともいえない結果であった。
  シャヴァ・アーサナと薬剤治療を受けたグループ(B)は、収縮血圧は31.2mmHg、拡張血圧は18.8mmHg低下し、より有意な結果であった。高血圧の治療でいえることは、シャヴァ・アーサナと薬剤治療を組み合わせれば、短期間でより有意な成果が出せるということである。薬剤治療と合わせた場合、症例の80%が顕著な効果を表したが、他方、正常血圧の対象者では、収縮期と拡張期の差異はとるに足りないものであった。
  このような症例における臨床的な所見は、さらに検査結果が裏付けている(表3)。たとえば15例の血兼コルチゾール、カテコラミン、尿中VMAについて統計的に判断してみよう。シャヴァ・アーサナの後で血漿コルチゾールは27.49から25..02のレベルに、2.47μg/dl下がり、同様に血漿カテコラミンは289.82から234.91に、すなわち、54.91μg/dlの有意な低下がみられた。尿のVMAレベルは2.48から2.05に0.43下がったが、正常血圧群においてはこの変化はそれほどはっきり出なかった。Datey、Patel、Bensonやその他の研究者は、リラックス療法による高血圧患者の臨床的な調査を実施し、患者のストレス過剰な心身機構の状況は、シャヴァ・アーサナ療法の後に相当軽減すること、そして、この軽減は単に血圧を下げることだけにとどまらず、患者の行動や生き方にも変化をもたらすものだということを実証したが、今までこのような検査を指標にして証明した研究者は一人もいなかった。このような変化はおそらく交感神経系の活動の減弱を介しているのであろう。

(第15章 高血圧より<抜粋>)


 
ページtopへ
 

copyright 2007 shuppannshinsya all right reserved